
通販でのやり取りで大事になるのは証拠となるメモ書き
オリジナルのぼり旗は、たまたま近くにのぼり旗専門店がある人を除いて、ほとんどの人は通販を活用して製作や印刷を依頼します。利用者にとってわかりにくいのは、万一失敗したときに、その失敗の責任がどちらにあるのかということ。返品させろ、金を返してくれという押し問答になったとき、それは通るのでしょうか。
失敗を前提に発注したり受注したりすることはあり得ないので、どちらの立場にたっても、「こんな結果になったのはこちらのせいではない」という主張を繰り返すことになります。そこで発注する前には、万一に備えて証拠となるものを細かく残しておきましょう。面倒で嫌な気持ちにもなりますが、それが第1の備えです。
●オリジナルのぼり旗は既製品ののぼりとは違って、個人的な感性に依るところが多い制作物です。データを送る際には、データだけを添付して終わりにするのではなく、但し書きや注釈を細かく描き込んでおきましょう。
●トラブルになりやすいのはオリジナルのぼり旗の色味や文字の書体です。「太くてがっちりした文字」とか、「薄いオレンジ色」といった注釈では不十分です。文字は書体を具体的に指定。色味はDICなど色見本を使って、番号で指定します。
●DICなどの色指定紙を使っても、パソコンに写し出される色や印刷時に反映される色が、それとは異なる風合いのときがあります。必ず印刷に入る前に仕上りの見本を送ってもらい、色校正、文字校正で確認します。
●プロセス上、たとえば色校正や文字校正は外せないものです。たとえばそれと同様に、たとえオプション扱いになっても受けたいサービスがあれば、発注する前に依頼しておきます。入れ込んだ画像のチェックなどもその1つです。
オリジナルのぼり旗店の責任がハッキリしやすい事例
オリジナルのぼり旗で返品可能となるのは、明らかにのぼり旗店の側の失敗が原因だと認められた場合です。たとえば縫製のミス、インクのムラ、画像のトリミングの間違えや画像のつぶれ、かすみなどです。あとは納期の遅れなども、特別な事情が介在しない限り、のぼり旗店の側のミスになります。
●糸のほつれ、画像や文字の縫い込みなど縫製上のミス。
●画像のトリミングミス、画像のつぶれ(陰の部分が黒くつぶれている)、著しい滲み。
●約束した納期の遅れ。とくにイベント初日や開店に間に合わなかったとき。
●担当者と連絡が取れずに修正が伝えられなかった場合。
糸のほつれや画像のつぶれは仕上り後の、明らかにのぼり旗店のミスなので、これは返品にできる可能性が高いです。しかし画像のトリミングのミスや納期の遅れ、担当者と連絡が取れなかったからなどは、こちら側(利用者)の証拠が必要になります。電話の場合は取り次ぎに出た人の名前を聞いておきましょう。